ゆーとぴあのIT教室

元文系の現役AI EngineerがITにまつわる情報を発信していきます。

【1-2】情報社会の法規と権利(1) 知的財産(産業財産権編)

どうも、現役AIエンジニアのゆーとぴあです。

今回から情報社会においての法規や権利について学習していきます。

初回は、知的財産権について学んでいきましょう。

知的財産権とは

知的財産権は、人間が頭を使って生み出した成果に対する権利です!

大きく3つに分類することができて、産業財産権著作権その他に分類できます。

こんな感じ、、、

今回から2記事にかけて、この図を理解できるようになるよう解説していきます。

本記事では、産業財産権について扱います。それでは早速一緒に学んでいきましょう!

産業財産権

産業とはどういう意味なんでしょうか?

グーグル先生に聞いてみると、「人間が生活に必要な諸財貨を生産する営み」だそうです。

要するに、生きるために必要な活動!ぐらいのニュアンスですかね。

この生きるために必要な活動の中で生まれてくるものに対して権利を与えてあげたもの、これが産業財産権です。

この産業財産権を管理しているのが特許庁です。

特許庁では、4つの権利について扱っています。

特許権実用新案権意匠権商標権です。順番に見ていきましょう!

特許権

特許庁という名前の冠をそのままつけた、特許権です。

これは発明に関しての権利を保護してくれます。

特許庁では、発明を自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものと定義しています。

少し表現が難しいので、言葉を噛み砕いていきましょう。

自然法」とは、自然の世界で見つけられた法則のことを言います。例えば、りんごがポトンと落ちるのを見てニュートンが気づいた万有引力の法則とかがそうですね。

気になるのは「高度」という単語ですが、これは次に紹介する実用新案権との差別化のためにある単語ですので、あまり正確に理解しようとしなくても大丈夫です。「これは高度だな!」と思えれば良いのです。

よって、先ほど発明の説明をわかりやすく言い換えると、

自然の世界の法則から作った高度な新しいものといったといったところでしょうか!

その発明を守ってくれるのが特許権です。

特許権を得るためには、「特許庁に認めてください!」という出願をする必要があります。出願されたもの全てを認めるわけではなくて、審査を通過したもののみが権利を得ることができます。

審査を追加すると、特許出願日から20年特許権が与えられます。

身近な例としては、文房具や電化製品などの商品が挙げられます。

実用新案権

特許権とややこしいのがこちらの実用新案権です。

これは考案に関しての権利を保護してくれます。

特許庁では、考案を自然法則を利用した技術的思想の創作のうち物品の形状、構造または組み合わせに係るものと定義しています。

自然法則を利用した技術的思想の創作のうち」の部分までは、先ほどと同じですね。

異なるのは、「物品の形状、構造または組み合わせに係るもの」のところですが、要するに形のことだと考えてください。

代表例として、ティッシュの箱を考えてください。いつも使っているか気づかないですが、なかな特殊な設計ですよね。あれはさまざまな紙製品で有名なネピア実用新案権を取得しています。

そういった形に関する権利を保護してくれるのが実用新案権です。

実用新案権は、審査がなく特許庁に出願すれば自由に取得できます。権利は、特許出願日から10年になります。

意匠権

意匠権は、物、建築、画像においてのデザインに関しての権利を保護してくれます。

デザインという言葉は聞き馴染みありますが、一応意味を調べてみると、「美しさや使いやすさなどの狙いを実現するために創意工夫すること、および、その創意工夫の成果を反映させた見た目や機能のあり方」だそうです。

要するに、見た目を良くしたり、利便性を良くしたりするために工夫したものってことですね!

特許庁のHPに意匠権で保護される身の回りの製品デザインの例が載っていました。

【引用元: 意匠制度の概要 | 経済産業省 特許庁

デザインを施す対象を13種類に分けて具体例を挙げています。デザインの対象が13種類もあるって驚きですよね!

そう考えると、身の回りのいろんな製品にデザイナーさんが関わっているんだなあと実感できます、、

意匠権は、特許権と同様に出願が必要です。こちらの権利は、特許出願日から25年になります。

(実は、意匠権の有効期間は2020年4月から5年伸びたりしています)

商標権

商標権は、商品やサービスにつけるネーミングやマークにおいての権利を保護してくれます。

ほぼ全ての企業が自社の製品にロゴやネーミングをつけているはずです。

それを保護してくれるのが商標権ですね。

他のものと被ってはもちろんダメなので、商標権は審査が必要です。

権利は、設定登録日から10年になります。

ここで注意したいのが先ほどまでは、出願日だったのが設定登録日ということです!

出願日は審査してよ!と書類を出した日ですが、設定登録日は審査が通過した後に実際に登録された日になります。

テストなどで、ここは狙われやすいポイントですので気をつけましょう。

具体例で復習しよう!

産業財産権を学習してきました。

ここまで読んでくれた方なら、下図の意味がわかることでしょう!

「なんで、これが○○権になるんだ?」という方は該当部分まで戻って学習し直しましょう。

この知識は大人になっても必須だったりするので、必要な時に何度も読み返してみてください。

次回は、知的財産権の残りの著作権その他についてみていきましょう!

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【1-1】情報社会 (3) 情報のモラルと個人に及ぼす影響

どうも、現役AIエンジニアのゆーとぴあです。

今回は情報のモラルとその影響について学んでいきましょう。

前回の記事をまだ読んでいない方はこちらから!!

情報のモラル

モラルとは?

モラルとは、「人間だったら当たり前に守っておきたいもの」です。

それでは情報社会においてのモラルとはなんでしょうか?

情報社会においてのモラル

それは、ネットワークの先の誰かを想像して行動するということです!

皆さんはそのように行動できているでしょうか?

例えば、「SNSの利用」を考えてみましょう。

SNSは気軽に投稿できることが魅力ですが、それにより以下のようなことが起こりえます。

  • 他人に迷惑をかけてしまう

  • 知らないところで被害に遭ってしまう

そのようなことが起こらないためにはどうすれば良いでしょうか?

発信の場合利用の場合に分けてみていきましょう。

SNS発信

SNSの発信をするときは、

  • 自身の発信が責任が持つことのできることなのか

  • 他人の権利を侵害していないか

を心がけましょう。

責任を持つということは、情報に嘘がないことを含みます。

過去に、「地震が起きた際に動物園からライオンが逃げた」というフェイクニュースを20歳の男がTwitterに投稿したことがあります。

www.huffingtonpost.jp

実はこれは嘘の投稿でした。男はデマを流したことによって、動物園の業務を妨害したとして逮捕されています。

不用意に嘘をつくことは絶対にダメだという良い見本だと思います!

また、Twitterリツイートなどの拡散の行為も発信であるという意識を持つことも大切です。

ライオンが逃げたというフェイクニュースを発信した男が悪いのはもちろんですが、実は情報の真偽が確かではないのに拡散した人たちもこれまた問題なんです。

フェイクニュースはときに人を傷つけてしまうこともあったりするので、すごいスピードで情報が拡散されてしまう現代において、拡散の行為は是非とも気をつけたいものです、、、

SNS利用

SNSを利用する際には、不用意に自分の個人情報を提供しないようにしましょう。

個人情報って「何が個人情報なの?」ということなのですが、実は個人情報保護法という法律の中で「個人情報とは」が定められています。それによると、

生存する個人に関する情報で、氏名、生年月日、住所、顔写真などにより特定の個人を識別できる情報。他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものも含まれる。また、番号、記号、符号などで、その情報単体から特定の個人を識別できる情報で、政令・規則で定められたものを「個人識別符号」といい、個人識別符号が含まれる情報は個人情報となる。

だそうです。これ、わかりにくいですよね、、、

私は社会人になってから会社の研修で知ったんですが、最初はなかなか理解が難しかったです。ということで、以下にまとめ直してみました。

  1. 氏名住所顔写真などのその人を特定できる情報は個人情報!

  2. 生年月日電話番号などは、それ単体では個人情報ではないが、氏名などと組み合わせることで特定できることがあるのでその場合は個人情報!

  3. メールアドレスでユーザー名やドメイン名から特定の個人を識別することができる場合は、個人情報!

  4. 指紋などの身体の一部の情報は個人識別符号が含まれるので、個人情報!

  5. パスポート番号マイナンバーなどは個人識別符号が含まれるので、個人情報!

これらが個人情報です。SNSではこれらは公開しないようにしましょう。

また、SNS上の情報を完全に信じることはやめましょう

SNS上では有名人や異性になりすましをしている人も、少なからず存在します。十分に注意しましょう!

情報化が個人に及ぼす影響

情報化が進むことによって、パソコンやスマートフォンなどの情報機器に過度に依存する人が出てきています!

たまに、友達と遊んでる時もずっとスマホを触っている人いますよね、、、

そのような方は、テクノ依存症(ネット依存症)かもしれません。具体的な症状としては、スマホがなければ気分が悪くなったり、不安に感じてしまうなどが挙げられます。

また、反対に情報機器をうまく使いこなすことができずに不安を感じてしまうテクノ不安症の方も一定数いらっしゃいます。

どちらかの症状に当てはまる自覚がある方は、一度病院で治療してもらうことを考えてみても良いのかもしれません。

うまく、情報機器と付き合っていくことを心がけましょう!

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【1-1】情報社会 (2) 情報の特性

どうも、現役AIエンジニアのゆーとぴあです。

今回は情報の3つの特性について学んでいきましょう。

前回の記事をまだ読んでいない方はこちらから!!

情報の特性

【復習】情報とは?

前回の記事ではデータと知識と一緒に、情報とは何かを学習しました。

情報って何?」とは、行動や意思を決める時に利用できるように、データに一定の意味を与えた表現でしたよね!

では、「情報の特性って何?」と聞かれたら皆さんはどう答えますか?

本日のテーマはこちらになります。

そもそも特性とは?

具体的に情報の特性とはに入る前に、特性という単語について少し触れておきます。

この単語、なんとなーく意味がわかるようなわからないような感じですよね、、

ググってみたところ、

そのものだけが持つ性質。特有のすぐれた性質。

だそうです!

つまり、これって言えばこうゆう感じだよねーみたいに考えていいんじゃないですかね!

情報って言えばこうゆう感じだよねーという要素が3つあるということです。

順に、みていきましょう!

情報の3特性

完全に消えずに残ることを表す残存性です。

残存性の具体例として、一番わかりやすいものは思い出です!

皆さんにも、何か忘れられない出来事があるはず。。

それってずっと記憶に残り続けているからですよね!これが残存性です。

情報は残り続けるんです、いいことも、わるいことも(笑)

他には、デマなども代表例として挙げられます!

簡単に複製できることを示す複製性です。

これは、映画のワンシーンを考えるとわかりやすいです!

あなたが友達にその映画のベストシーンを伝えたいとき、映画の情報をこと細やかに伝えますよね。人によっては、セリフを完全再現する方もいるかもしれません。

確かに完全ではないかもしれませんが、知らない間に情報を複製しているんです。これが複製性です。

音楽なんかも、これに当てはまります。

情報がすぐに広まることを示す伝播性です。

これは、SNSの拡散が代表例ですね!

いいことも、わるいこともあっという間に世の中に広まってしまいます。

他には、フェイクニュースなんかも代表例として挙げられます。

情報の3特性とうまく付き合う

ここまで残存性・複製性・伝播性の3つの特性をご紹介してきましたが、これらの特性全てがいい点と悪い点の両方を持ちます。

そんな情報をうまく活用して、トラブルを未然に防ぐ力が、情報のありふれた現代では必要なんです。(教科書にそう書いてありました、、、笑)

皆さんは、特性を踏まえた上でうまく情報と付き合っていきましょうね!

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【1-1】情報社会 (1) 情報社会と情報

初めまして!ゆーとぴあです。

今回から、情報Iの全分野を現役AIエンジニアが極限までわかりやすくお伝えしていきます。

現役高校生の方も、やることなくて暇だなあという大学生の方も、学び直し意欲のある社会人の方も、どなたでも大歓迎です!

一緒に、情報Iの世界に飛び込んでみましょう!!

情報とは

データ・情報・知識を使い分ける

いきなりですが、皆さんはデータと情報の違いを説明できますか?

これ、なかなか難しいと思います。

教科書ではデータと情報、それに知識を加えて3つの関係は以下のように示されます。

要するに、「データが情報となり、情報が知識となる」ということです。

この流れがわかったところで、それぞれの説明を見ていきましょう!

  • データ:実験や観測で得ることができる事実・数値

  • 情報:行動や意思を決める時に利用できるように、データに一定の意味を与えた表現

  • 知識:情報を実際の問題に対して役立つように体系化されたもの

データは「起こっていることをそのままダイレクトに!!」ってイメージですね。それを分析して、意味を持たせたものが情報です。そして、それを実際の問題に対して役立てていくのが知識。

この関係性を具体例でみておきましょう!

気温の数値がデータ、データを利用した平均気温が情報、寒いということが知識になります。

綺麗な一連の流れですよね!それぞれとても意味が似た単語ですが、日常で使い分けてみてください。

ビッグデータって何?

最近ではよくビッグデータという単語を耳にします。

これは、とてもたくさんの形状・性質・種類のデータのことを指します。

なぜこんな言葉が出てきたかということなのですが、答えはインターネットの普及です。

GPSの情報、SNSの投稿、ネットの閲覧履歴、全てがインターネットを利用したものですよね。意識しないと気づかないことですが、これらは全て運営元においてデータとして記録されています。(プライバシーの観点から設定によって拒否できるものもあります)

これからの時代は、これらのビッグデータをどう活かすことができるかという視点がとても重要になります。その専門家がデータアナリストデータサイエンティストといった職業の方になります。気になる方は、どんなお仕事なのかぜひ調べてみてください!

新しい情報社会の到来

皆さんは、Society5.0という単語を聞いたことがあるでしょうか。これは2016年に内閣府が提唱した概念なのですが、内閣府によると「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」だそうです。

なんだが、難しそうな単語がたくさん並んでますね。

なんでSociety5.0っていうの?

そもそも何で5.0なんでしょうか?それは、「○○社会」という段階が今まで、4段階あってこれからの未来は5段階目に突入しようとしているからです。図で見てみましょう!

図の流れのように人間は、狩りをして食料を得ていたところ(狩猟社会)から、農作物を作ることにより安定して食料を確保するようになり(農耕社会)、産業革命によりさまざまな工業が発達し(工業社会)、コンピュータとインターネットの登場により身の回りのことがより便利になる(情報社会といった社会を歩んできました。

このような流れを4つに分割し、それぞれに○○社会とつけたのがSociety●.0なんです!そして、これからの未来の社会は5段階目だからSociety5.0と呼ぼうよということで、このような名前がついています。

「今まで、○○社会とついてたんだからカッコつけて英語使わず、○○社会としたらいいのに!」とか思っちゃいますが、○○社会と名前がついているものは全てすでに過去のことなんですよね。Society5.0はこれからの未来のことだから、具体的な名前はつけずに順番の数字で表したんだと思います。(あくまでも推測ですが、、、)

Society5.0を理解するために

Society5.0の内容を理解するにはIoTとAIの2つのワードがキーになります、順に見ていきましょう!

IoTって何?

IoTとはInternet of Thingsの略でモノのインターネットなどと訳されることが多いです。

モノのインターネットというのは、モノとモノがやり取りするインターネットのことです。わかりにくいですよね、、

具体例で考えてみましょう。最近では、スマホで操ることができる家電が増えてきましたよね。

IoTってまさにこれのことなんです。モノ(家電)とモノ(スマホ)がつながっている、これだけです!

AIって何?

AIという言葉を日常生活でよく聞くようになりました。

AIとは、Artificial Intelligenceの略で日本語に訳すと人工知能となります。

AIの定義は難しいんですが、人間の持っている知能を再現したものといったところでしょうか、(実はAI界の重鎮たちでもそれぞれAIの定義は違ったりします、、、)

身近なAIとして、自動車の自動運転が挙げられます。

自動車を運転する時って、運転手はいろいろなことを考えてるはずですよね!この頭の動き方をAIがお勉強してくれて、人間の代わりとなってくれます。

実は、「このお勉強してくれて」っていうところがAIのポイントです!

AIはさまざまな状況や、やらなければならないことに応じて勉強することができます。だから、世の中でいろんなAIが生まれてるんです!興味のある方は、今どんなAIがあるのかということを調べてみても面白いと思います。

一つだけ注意しておきたいのは、勉強のためには教材がいるということです。人間の皆さんもそうだと思いますが、なんの教材もないと勉強なんてできませんよね!しかも、教材は質がいい方が良いし、量をこなせばこなすほど賢くなります。それと同様に、AIも教材の質と量というのがとても重要です。それらの条件を満たすことで、世の中の役にたつ立派なAIが完成します!

Society5.0とは

2つのキーワードを理解したところで、最後にSociety5.0を考えてみましょう!

Society5.0はIoTとAIを適切に使いこなすことができる社会といえます。それぞれ分けてみていきましょう!

Society5.0をIoTの観点から

IoTを使うとどうなるでしょうか?考えてみてください、、、

スマホなんかは日常で使っていると思います、日常の中で大量のデータが生まれますよね、すなわちビッグデータが生まれます。

では、このたまったビックデータをどうしましょう?放置すると勿体無いんです!

多くのデータを情報にして、知識にすることで、今までにない新たな価値が生まれ、課題や困難を解決していきます。

Society5.0をAIの観点から

IoTで生まれた多くのデータは知識にするだけではもったいないです!

多くのデータは、AIにとってはたくさんの教材です。すなわち、より賢いAIを作ることができますね!

少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの問題は人手では難しいと言われています。だからこそどんどんAIを利用していく必要があります。

つまり、Society5.0とは

まとめると、Society5.0とはIoTを利用して今までにない新たな価値を生み出すことで課題や困難を克服し、AIによって人手では難しい課題や困難に対処することで、変革を起こすことのできる社会です。

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